施設長あいさつ

施設長様写真

当施設は、昭和57年5月初代理事長中村幸蔵が「高齢化を迎えるこれからの時代には老人福祉施設が必要になる」という先見性から地元市町村や国、県の支援の下私財を提供し開設されました。その後今日にいたるまで多くの方々に支えられながら地域の老人福祉に携わってまいりました。その間社会情勢や社会制度の変化により施設を取り巻く環境は大きく変わりましたが、施設の方針は開設以来首尾一貫しております。

それは折に触れてお伝えしているとおり利用者様や入所様そしてその家族様方に「入って良かった。入れて良かった。利用して良かった」と思われる施設であり続けるということです。その考えの基本は「人間として人間らしく生きる気持ちを尊重する」ことにあります。

「人間らしく生きる」ということは、若者から高齢者まで年代によって受け止め方違いがありますし、個人個人の価値観や育ってきた社会環境によってさまざまですが、高齢者だからといって「人間らしく生きる」ことが置き去りやなおざりにされて良いわけがありません。
逆に年月を積み重ねた高齢者にこそ人間らしく生きて頂きたいものです。そうあって初めて一人ひとりの人生が意味あるものになってきますし、そこに高い文化をもった人間の価値を見出すことができます。人間は元来優れた能力から導かれた多くの特性を備えています。
その特性を上手に生かした人生を送れたと自ら感じることができた時そして他者からの尊重を感じ取れた時、そこに私たちは満足感を覚えるのではないでしょうか。縁あって旭ヶ丘老人ホームという一つの場を共有した皆様方には是非そうした人生を送って頂きたいし、又少しでもその手助けが出来ればと思っております。

当施設では、こうした考え方を職員と共有することは大事なことと考えておりますので、常勤職員はもとより非常勤職員も全員施設が直接採用した職員構成となるよう心掛けております。そして職員配置においても利用者様一人ひとりにきめ細かいサービスが提供できるよう国の配置基準を大きく上回って日頃の業務を行っています。

ご家族様が希望された場合、ケアマネージャー・介護士・看護師・管理栄養士といった各専門職が協働して「看取りケア」を行っております。看取りケアにあたっては、ご家族様の気持ちに寄り添いながらご本人様の苦痛の緩和に努めております。
看取られたご家族様からは感謝の言葉を頂くことが数多くあります。また、高齢の利用者様にとって食事はエネルギーの源であるばかりでなく大切な楽しみの一つですので、外部委託せず管理栄養士の指導の下、施設の調理員の手によって食事を提供しています。お蔭さまで入所者やデイサービスのご利用者様からとても美味しいとお褒めの言葉を頂いております。

ここ数年大地震や風水害そして新感染症の発生等私たちを取り巻く環境は年々厳しさを増しておりますが、今私たちに求められるのは自然のみならず生命体全てを含めた共生社会を築くことと考えております。当施設でも自然に恵まれた環境下にあって開設以来築き上げてきた皆様からの信頼を大事にし、これからもご利用者様をはじめ地域の皆様に喜んで頂ける施設そして共生社会の実現を目指して努力していきたいと考えております。

令和二年七月
旭ヶ丘特別養護老人ホーム
理事長 井上節
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